アクセシビリティの実践ガイド

アクセシビリティ監査:HTMLの障壁を見つけ、実際の操作で確かめる

静的監査は、ラベル、画像の代替テキスト、文書構造に関する有用な根拠を示します。その結果をコンポーネントの修正につなげ、HTMLだけでは証明できない操作を実際に検証する方法を説明します。

アクセスしやすいページ構造、キーボードの移動経路、名前の付いた操作部品を表す概念図。製品の実画面ではありません。
概念を表すイラスト

購入ボタンは見た目が整っていても、理解できるアクセシブルな名前を持たない場合があります。フォームに必須項目がすべて表示されていても、何を入力すべきか利用者が推測しなければならないことがあります。大切なのは作業を完了できるかどうかであり、スコアの色ではありません。

自分が所有するページ、または監査の許可を得たページを対象にし、レポートとブラウザーを並べて確認してください。静的な分析と実際の利用テストでは、得られる証拠が異なります。指摘が少ないことや緑色の評価だけで、WCAGへの完全な適合が証明されるわけではありません。

この監査の範囲

測定できること

  • 指定した1ページの静的HTMLに含まれるラベル、名前、代替テキスト、文書構造の手掛かり。
  • フォーカス、フォーム、フレーム、表、メディアに関する一部のマークアップパターン。
  • インラインスタイルに明示された一部の文字色と背景色の組み合わせ。

証明できないこと

  • 対話的な操作全体の実行や、スクリーンリーダーによる動作確認は行いません。
  • 計算済みCSSの色や、すべての表示状態を網羅した評価ではありません。
  • WCAG認証や法的な適合性を証明するものではありません。

アクセシビリティモジュールはStarter、Professional、Enterpriseで利用でき、Freeには含まれません。手動の確認手順は契約の有無にかかわらず実施できます。

重要な作業から始める

見積もりを依頼する、アカウントを作る、仕様を読む、サポートに連絡するなど、具体的な作業を選びます。正確なURL、表示言語、期待する完了状態を記録してください。そのページが公開されているか、ログインが必要かも明記します。公開ページの監査だけでは、ログイン後の一連の操作は検証できません。

まず代表的なページを調べ、異なるテンプレートは別途確認します。共通ナビゲーションの不具合は多数のページに影響し得ますが、トップページに指摘がないからといって、注文フォームやモーダルが使えるとは限りません。見た目の整理よりも、作業を妨げる障壁を優先しましょう。指摘の重大さは、利用状況と実際の影響によって判断します。

何を測定したのかを理解する

現在のSitelemetryの検査エンジンは、1ページの静的HTMLを調べます。画像の代替テキスト、文書のタイトルや言語の欠落、ラベルがない可能性のあるフォーム部品、名前のないリンクやボタン、見出し順序の問題、メイン領域の欠落、正のtabindex、重複IDなどを確認します。複数の検査はヒューリスティックであり、結果の確認が必要です。

一部のインライン指定の色の組み合わせも調べますが、完全なコントラスト検査ではありません。継承されたCSS、背景画像、重なり、操作中の状態は対象外になり得ます。取得失敗、認証や確認用の中間画面、切り詰められた内容、HTML以外の応答は「評価不能」や「対象外」であり、アクセシビリティ合格ではありません。W3Cのツール選定ガイドも、人による判断が必要な理由を説明しています。

担当を決める前に根拠を読む

実行しやすい修正課題には、URL、対象の要素や例、確認すべき動作、妨げられる可能性のある作業を記します。「アクセシビリティを改善」よりも「3枚の画像にaltがない」の方が具体的です。ただし、代替テキストが存在しても、画像の役割を適切に説明している証拠にはなりません。

判断が難しい指摘はブラウザーで確かめます。静的なパターン検出では、入力部品を囲むラベルを見落としたり、存在しない要素を参照するaria-labelledbyを受け入れたりする場合があります。アクセシビリティツリーで、実際に計算された名前を確認してください。見出し順序の警告も内容の検討が必要であり、一律にWCAG違反を確定するものではありません。繰り返す問題はページごとではなく、共通コンポーネント単位でまとめます。

観測内容状況に応じた優先度確認すべき証拠次の作業
必須項目に使える名前がない重要な作業を妨げる場合は高い計算された名前を調べ、フォームを完了するラベルの関連付けを直し、操作を繰り返す
画像の代替がない画像の目的による情報、機能、装飾のどれかを判断する適切な代替を記し、装飾なら空のaltを使う
見出し順序の警告文脈に沿って検討する文書構造と内容を読む理解を妨げる場合は共通構造を修正する

原因となるコンポーネントを直す

ネイティブHTMLの操作部品と、目に見えるラベルを優先します。明示的に関連付ける場合、forは正しい入力部品のIDを指す必要があります。プレースホルダーは入力中に消えるため、安定したラベルの代わりにはなりません。W3Cのフォームラベルの解説で適切な関連付けを確認できます。アイコンだけのボタンには、図形の名前ではなく「検索を開く」のように操作を説明する名前を付けます。

画像の代替は、情報を伝える、操作を実行する、装飾する、という役割に応じて決めます。機能を持つ画像には適切な代替が必要ですが、純粋な装飾画像なら空の代替テキストが適切な場合があります。警告を消すためにすべてを空にしてはいけません。W3Cの画像チュートリアルを参考に、コンポーネントやコンテンツのモデルから修正し、新しい内容でも再発しないようにします。

ブラウザーでの確認を追加する

  1. キーボードだけで操作部品に移動し、実行します。見えるフォーカス、移動順序、ダイアログから抜け出せることを確認します。
  2. スクリーンリーダーで見出し、名前、説明、エラーを調べます。何かが読み上げられるだけでなく、作業を理解できることが重要です。
  3. 通常時、ホバー時、フォーカス時、エラー時など、必要な状態のコントラストを測ります。画像や重なりも確認します。
  4. 拡大表示と狭い画面幅で試します。消える操作部品や、実用的でないスクロールがないか調べます。

これらは追加の利用テストであり、静的検査エンジンが実行したと主張するものではありません。W3Cの初期チェックを出発点にできます。サービスの重要性に応じて、さまざまなアクセス上のニーズを持つ利用者にも参加してもらいましょう。

再検査し、残る範囲を記録する

変更後は同じURLで監査を再実行し、具体的な根拠を比較します。共通コンポーネントは修正されたか、新しい名前や構造の問題はないかを確認してください。最初に選んだ手動の作業も再実行します。警告が消えていても、ダイアログをキーボードで使えないままなら修正完了ではありません。

日付、ページ、変更内容を記録し、静的検査と手動検査の結果を分けて示します。顧客向けの報告では、確認したテンプレートと操作、対象外だったものを明確にしてください。点数は、作業に成功できる利用者の割合でも法的な証明でもありません。未実施の手動確認を残し、重要な操作は次回以降の公開前チェックにも組み込みます。

よくある質問

高いスコアはWCAGへの適合を証明しますか?

いいえ。示すのは、明記された範囲で検査したパターンの評価です。操作、内容、その他の要件には、追加の専門的な評価と手動確認が必要です。

すべての画像に説明的な代替テキストが必要ですか?

目的と文脈によります。情報や機能を持つ画像には適切な代替が必要ですが、純粋な装飾画像では空の代替テキストが正しい場合があります。

監査でダイアログの使いやすさを確認できますか?

取得したマークアップから手掛かりを検出できますが、ダイアログを開いて操作するわけではありません。キーボード操作、フォーカス管理、スクリーンリーダーでの理解は別途確認します。

出典・参考資料

  1. W3C:評価ツールの選び方www.w3.org
  2. W3C:フォーム部品へのラベル付けwww.w3.org
  3. W3C:画像と代替テキストwww.w3.org
  4. W3C:アクセシビリティの初期チェックwww.w3.org
Sitelemetryチーム

Sitelemetryチームが、製品の監査範囲とリンク先の一次資料に照らして作成しています。観測事例と明記されていない例は、説明用のものです。

SITELEMETRY

ガイドを実践しましょう。

レポートの証拠を確認し、原因を修正して、該当するチェックを再実行してください。

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